犬の遺伝子検査で「犬種」を知る方法:海外Embarkと国内Pontelyの機能・費用を徹底比較

「愛犬のルーツが知りたい」「将来かかりやすい病気のリスクに備えたい」。
それと同時に、「この子の性格が知りたい」「どうしてこういう行動をとるんだろう?」と感じることは、多くの飼い主さんにとってごく自然なことだと思います。

ただ、犬の遺伝子検査について調べ始めると、「健康に関する情報提供」をうたうサービス(Pontely など)「性格・相性」に焦点を当てたサービス(わんマッチ など)、さらに海外で開発された、犬種や健康リスクを網羅的に扱うサービス(Embark など)が一度に目に入り、かえって分かりにくく感じてしまうこともあります。

当サイトは、「テクノロジーで、ペットとの暮らしをアップデートする」という方針に基づき、私たち運営者自身が一人の飼い主として、各サービスが「どのような目的で設計されているのか」を整理しながら調査しました。
そのうえで、「国内サービス」と「海外サービス(Embark など)」を、できるだけフェアな条件で比較することを意識しています。

免責事項:本記事は犬の遺伝子検査サービスについての一般的な情報提供であり、診断や治療方針を決めるものではありません。具体的な解釈や対応は、必ず獣医師・ドッグトレーナーなどの専門家にご相談ください。
アフィリエイト開示:本記事にはアフィリエイトリンクを含む場合がありますが、サービスの選定・比較は当サイトの調査と判断に基づいて行っています。ご利用の際は、各公式サイトの最新情報・規約・プライバシーポリシーを必ずご確認ください。

この記事でわかること
  • 犬の遺伝子検査を「健康・犬種」と「性格・相性」の2タイプに整理
  • Pontely/わんマッチ/Embark の「得られる情報」とざっくり費用感
  • 遺伝子検査とどう付き合うべきか(限界と注意点)

目次

【目的別】あなたの悩みはどっち?犬の遺伝子検査「2つのタイプ」

読者の皆さんの混乱を少しでも減らすため、市場に出ている犬の遺伝子検査を「目的別」に大きく2つに整理してみます。これが、この記事全体の案内図となるイメージです。

犬の遺伝子検査「2つのタイプ」

🩺

タイプA
「健康・犬種」

  • 悩み「将来の病気リスクが知りたい」
    「保護犬のルーツ(犬種)が知りたい」
  • 分かること遺伝性疾患に関するリスクの傾向や、犬種構成、体質に関する情報の一部
  • 主なサービスPontely (ポンテリー), Embark (エンバーク)

❤️

タイプB
「性格・相性」

  • 悩み「この子の性格・気質が知りたい」
    「自分との相性を知りたい」
    「しつけに役立てたい」
  • 分かること性格に関する遺伝的な傾向や、飼い主との相性を整理したレポート
  • 主なサービスわんマッチ

【タイプA】「健康リスク・犬種」の情報を知る。海外(Embark) vs 国内(Pontely)

まず、愛犬の「健康・犬種」に関する情報を知りたい方(タイプA)に向けて、具体的な選択肢である海外サービスと国内サービスの「中身」と「手間・コスト」の両方を比べていきます。

【海外】Embark の強みと、日本から利用する際の実務的ハードル

海外製のキット、とくにアメリカの Embark(エンバーク) は、

  • 犬種特定のための大規模なデータベース
  • 遺伝的な健康リスクに関する網羅的な項目
  • 大学・研究機関との連携による科学的な検証

といった点で、世界的にも評価されているサービスです。
「愛犬のルーツをできだけ詳しく知りたい」「将来の健康リスクについて、研究に基づくデータを参考にしたい」という方にとって、タイプAのなかでも非常に有力な候補のひとつになります。

一方で、日本から個人で利用する場合には、「費用」と「手間」という2つの大きなハードルがあることも事実です。

例えば、Embark の「Breed + Health Kit」は、Amazon Japan での本体価格がおおよそ 25,000円前後です(2025年11月時点の参考価格)。一見すると国内サービスと大きく変わらないようにも見えますが、次のような追加コストに注意が必要です。

  1. 国際送料(US→日本)
    チェックアウト時の表示価格に送料が含まれていても、受け取り時に日本側の関税や手数料が別途請求される場合があります。Embark 側では「送付時の送料分を払い戻す」といった案内も見られますが、実際の負担額は為替や配送条件によって変動します。
  2. 検体の返送費用(日本→US)
    Embark の公式ポリシーには、「国際発送における返送の送料はお客様の負担」と明記されています。犬の唾液サンプル(生物学的サンプル)を日本からアメリカへ送る場合、日本郵便の EMS など追跡付きの国際郵便を利用する必要があり、執筆時点の調査では、おおよそ 3,900円 前後の自己負担となるケースがありました。

これらを踏まえ、執筆時点のレートと送料を前提に一例として単純計算すると、

  • 本体価格(約 25,000円)
  • +返送費用(約 3,900円)
  • +ケースによっては関税・手数料

となり、TLC(総所有コスト)はおおよそ 28,900円〜3万円台前半になるイメージです(いずれも参考値であり、最新の料金や為替レートによって変動します)。Embark 自体は、研究連携やデータ量の面で「タイプA」の中でもトップクラスといえるサービスです。その一方で、日本から個人輸入で利用する場合は、

  • 本体価格だけでなく、国際発送・返送に伴う 「総額(TLC)」
  • 税関書類の記入など、英語を含む実務的な手間

を含めて、「自分にとって見合うかどうか」を考える必要があります。

海外キット(Embark)利用の総費用ステップ(試算例)

Step 1
注文
約 ¥25,000〜
Step 2
受取
(関税に留意)
Step 3
採取
🚨
返送(日本→US)
【自己負担】
約 ¥3,900〜
Step 5
合計イメージ
約 ¥28,900〜
返送前チェックの写真実例

※価格や送料、発送条件は今後変更される可能性があります。実際に利用する際は、必ず最新の公式情報・郵便料金・為替レートをご自身で確認してください。

遺伝子検査だけでなく、日々のトイレ・体重・活動量を記録できるデバイスも選択肢になります。

【国内】Pontely(ポンテリー)の「総額の分かりやすさ」と「日本語レポート」

海外キットの実務的なハードル(とくに返送費用)に対し、国内サービスの Pontely(ポンテリー) には、費用面・言語面で分かりやすい特徴があります。

メリット1・総費用が明確
犬の遺伝子検査(Health Plan)は 15,400円(税込)です(2025年11月時点)。検体は国内返送のため、高額な国際送料は不要で、費用のイメージが立てやすい点が特徴です。

メリット2・獣医師監修の日本語レポート
検査結果は、Pontely が契約する日本の獣医師による監修を受けています。対象となる疾患の一般的な特徴や、日常生活で意識したいポイントが日本語で整理されており、かかりつけ医と相談する際の資料として活用しやすい内容になっています。

メリット3・検査の「限界」を明示する姿勢
Pontely は公式サイトで、「遺伝子検査で分かるのは、基本的に『単一遺伝性疾患』に関する情報です」と明記しています。病気の発症には「遺伝要因」と「環境要因」の双方が影響することに触れ、検査結果だけで不必要に不安を煽らない説明を心がけている点は、消費者として安心材料のひとつと言えます。

(検討点)2025年11月時点の公式サイト情報では、「気質や犬種/猫種の判定など」は「ラインナップに追加予定」とされています。現時点では、「犬種特定」を主な目的とする方(Embark のような海外サービスを検討していた層)にとっては、ニーズと完全には一致しない可能性があります。

【タイプA】健康に関する情報が気になる方へ。

Pontely の検査結果レポートの構成や、申込み〜結果確認までの流れ、私たちの体験談については、こちらの記事でまとめています。

 

将来のリスクに備えるなら、体質(遺伝子)+普段の生活ログ(体重・トイレ・活動量)をセットで押さえておくのがおすすめです。

【タイプB】「性格・相性」の傾向を知る。日本発「わんマッチ」とは?

次に、愛犬との「性格・関係性」に関心がある方(タイプB)に向けた、国内のユニークな選択肢「わんマッチ」を見ていきます。

サービス紹介・愛犬の「性格遺伝子」と飼い主の「心理テスト」

「わんマッチ」は、「愛犬と飼い主の相性」に着目した遺伝子検査サービスです。サービスの説明によれば、以下のような特徴があります。

  • 愛犬の「性格遺伝子」を検査
    遺伝子解析により、愛犬の生まれ持った性格を6タイプ(例:アジャストタイプ、デリケートタイプなど)に分類する仕組みが用意されています。
  • 飼い主の「心理テスト」を実施
    飼い主自身も心理カウンセラー監修の心理テストを受け、自分の「こころの性格」(12タイプ)を把握することができます(医療的な診断やカウンセリングではありません)。
  • 「相性」をレポート
    上記2つの結果を組み合わせ、愛犬と飼い主の性格の相性を「見える化」したレポートが提供されます。

費用は 19,800円(税込)です(2025年11月時点)。これには、DM(変性性脊髄症)など一部の体質関連遺伝子に関する情報も含まれます(いずれも診断ではなく、あくまでリスク傾向を知るための参考情報です)。


そもそも「性格は遺伝子で決まる」の?科学的な前提と限界

「わんマッチ」のようなサービスは非常にユニークですが、私たち「スマートペットライフ」は、獣医師のいない情報サイトとして、ペットの行動や健康に関する情報を慎重に扱う必要があると考えています。そのため、科学的な前提や限界についても併せて触れておきます。

【重要】行動は「多因子」で決まるという視点

獣医学や遺伝学に関する多くの研究で、「遺伝子だけで性格が決まるわけではない」とされています。実際には、複数の遺伝子(多因子性)、育った環境、しつけや学習(経験)などが複雑に絡み合って、その子の「性格」が形成されます。私たちのスタンスとしては、次のように考えています。

  • この種の検査結果を 「あなたの犬は XX タイプです」 という診断や断定として受け取るのは適切ではない
  • あくまで、「愛犬の生まれ持った“傾向”を知るための一つのヒント」として捉える
  • その情報をもとに「どう接すれば、この子(と私)はもっと暮らしやすくなるか」を考えるきっかけとして活用する

このような距離感で付き合うのが、バランスの良い使い方だと私たちは考えます。

 

【タイプB】性格・相性が気になる方へ。

「わんマッチ」で実際にどんなレポートが届くのか、体験レビューで詳しく紹介しています。

結論ファースト・国内・海外「犬の遺伝子検査」主要3社 徹底比較早見表

ここまで解説してきた「タイプA(健康・犬種)」と「タイプB(性格・相性)」の代表的なサービスを、横並びで比較してみます。

スクロールできます
比較項目Embark(Breed + Health)Pontely(Health Plan)わんマッチ(Full)
主な目的健康・犬種健康に関する情報性格・相性 (+体質)
【重要】総費用の目安(試算)約 ¥28,900〜¥15,400¥19,800
検体返送
(日本→海外)
必要不要(国内)不要(国内)
返送費用の目安約 ¥3,900〜約 \700~
レポート言語英語日本語日本語
専門家・監修体制(公式サイト等に基づく概要)社内の獣医遺伝学チーム・研究者による検査サービスの開発・サポート体制あり獣医師と相談のうえ選定された検査項目と獣医師監修の疾患解説レポート心理カウンセラー監修の性格診断テストを採用

※価格・為替・送料は記事執筆時点の情報をもとにした試算であり、実際のご利用時の金額を保証するものではありません。必ず最新の公式情報をご確認ください。

【運営者の実体験】私たちが「目的別」に調査した理由

私たち(運営者)も、最初は「遺伝子検査」とひとくくりに考えていました。

しかし、調査を進めるうちに「健康リスクに関する情報を中心とするもの」「性格や相性に関する情報を中心とするもの」が、全く別のカテゴリの製品として存在することに気づき、正直かなり混乱しました。「愛犬の健康も気になるし、性格も知りたい…どっちを選べばいいんだ?」と。

この調査結果は、同じように「どのキットが自分の悩みに合っているの?」と迷っている飼い主さんにとって役に立つと考え、今回「目的別の調査レポート」として整理しました。

遺伝子検査で知っておきたい「共通の限界」

本サイトのスタンスとして、特定のサービスを勧める前に、すべての遺伝子検査に共通する「限界」と「賢い付き合い方」について、改めて整理しておきます。

遺伝子検査との「賢い」付き合い方

  • 私たちは獣医師・専門家ではありません。
  • 検査は「診断」ではなく「情報ツール」です。
  • 「健康」も「性格」も遺伝子だけでは決まりません。
  • 結果は必ず「専門家(獣医師など)」と共有・相談してください。
  • データの扱われ方(プライバシーポリシー)も事前に確認しましょう。

私たちは獣医師・専門家ではありません

記事の冒頭でも述べた通り、私たちは医学的・行動学的な診断や治療方針の決定はできません。本記事はあくまで一般的な情報提供を目的としています。

検査が示すのは「傾向」であり「診断」ではない

多くのサービスで、検査によって分かるのは主に「単一遺伝性疾患」に関するリスクの傾向です。アレルギーや股関節形成不全のような多くの病気は「多因子性」(遺伝+環境)であり、この検査だけで発症を断定することはできません。

性格について
行動は「遺伝」以上に「環境」や「学習」の影響が極めて大きい分野です。結果は「断定」ではなく、「ヒント」の一つとして捉えてください。

どう向き合うべきか

検査結果だけで判断を完結させるのではなく、

  • 健康面であれば 獣医師
  • 行動面であれば ドッグトレーナーや行動に詳しい専門家

と共有し、相談の材料として活用することをおすすめします。

遺伝子情報は“体質のヒント”にとどまるので、実際の生活データや行動の変化を記録するテクノロジーと組み合わせて使うと安心です。

データのプライバシーについて

ペットの遺伝子データは、人の医療データほど厳格な法規制がない国・地域もあります。匿名化された形で研究や商品開発に使われるケースもあり、中には「飼い主の興味・関心の推測に使われ得る」と指摘する専門家もいます。

どのサービスを利用する場合も、利用規約やプライバシーポリシーを読み、データの二次利用に納得できるかを確認しておくことが大切です。

まとめ・あなたの目的に合わせた「スマートな選択」は?(デュアル導線)

ここまでの内容を踏まえ、この記事では次のように整理しました。
どれか一つだけが「正解」というわけではなく、あくまで「自分の悩みや目的にどれが近いか」を考えるためのヒントとしてご覧ください。

(1) 愛犬の「健康リスクに関する情報」を把握し、将来に備えたい方へ

国内の 「Pontely(ポンテリー)」 は、現時点で「健康に関する情報を知りたい方」にとって、選択肢のひとつになり得ると私たちは考えています。

  • 高額な国際返送料が不要で、総費用の目安(15,400円)が分かりやすいこと。
  • さらに、国内獣医師監修の日本語レポートは、かかりつけ医と相談する際の資料として活用しやすいと感じたこと。

これらが、その主な理由です。

 

(2) 愛犬の「性格」を深く理解し、「相性」を見直すきっかけが欲しい方へ

日本発の 「わんマッチ」 は、性格や相性に焦点を当てたい方にとってユニークな選択肢のひとつです。

この記事で触れたように、性格は遺伝だけで決まるものではありませんが、「愛犬をどんな視点で見つめ直すと良さそうか」を考える材料として使うなら、飼い主自身の心理も合わせて振り返るこのサービスは、関係性を見直すきっかけになり得ます。

 

(3) 海外の犬種データベースや「親戚探し」に魅力を感じる方へ

海外の Embark(エンバーク) も、有力な選択肢のひとつです。大規模な犬種データベースや、大学と連携した研究成果を背景としたレポートは、「健康リスク」「犬種」「血縁関係」などを広く知りたいタイプAの中でも、特に“データ重視派”の方に向いています。

その一方で、日本から利用する場合は、本記事で触れた「総額コストの目安」と「国際返送の手間」を踏まえたうえで、自分にとって見合うかどうかを慎重に検討する必要があります。

Embark は公式サイトに加えて、日本では Amazon などから購入できる場合もあります。購入前には、最新の価格や在庫状況に加え、返送方法・送料・関税の扱いなども必ず確認してください。

本記事は、いずれのサービスの利用も推奨・保証するものではなく
特徴を比較するための一般的な情報提供を目的としています。

参考文献・調査情報源

※記事内の価格やサービス内容は、主に以下の情報源に基づき、2025年11月時点の調査情報を記載しています。最新情報は必ず各サイトでご確認ください。

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