犬の性格診断は遺伝子で決まる?「わんマッチ」体験レビュー|相性と接し方の科学

「うちの子、どうしてこんなに怖がりなんだろう?」
「もっと仲良くなるためのヒントが欲しい」

愛犬との暮らしの中で、そんなふうに感じることはありませんか。
最近はペットテックの進化により、愛犬の「健康」だけでなく、「こころ」や「関係性」までデータで見える化できるようになってきました。

今回取り上げるのは、日本発の遺伝子検査サービス「わんマッチ」です。

海外の有名な検査キットが「病気のリスク」や「犬種のルーツ」の特定に強みを持つのに対し、わんマッチは「飼い主との相性」に特化したユニークなサービスとして注目されています。
「実際にどんなレポートが届くのか」「科学的な裏付けはどの程度あるのか」、そして何より「2万円近い価格に見合う価値があるのか」。

そんな疑問を持つ飼い主さんに向けて、実際に届いたレポートの中身や、使ってみて感じたメリットと限界を、できるだけ正直な視点でレビューします。

【結論】

わんマッチは「病気のリスク」よりも
「性格と相性を知って、接し方のヒントが欲しい」飼い主さん向けの 遺伝子検査サービスです。

  • ◎ 日々のコミュニケーションや関係性を深めたい
  • ◎ 行動の理由を、遺伝的な気質からも知りたい
  • ◎ 家族みんなで診断結果を見て楽しみたい

※将来の遺伝性疾患リスクの判定や、犬種ルーツの詳細分析が目的の場合は、 医療・犬種特定に強い他の遺伝子検査サービスの検討をおすすめします。

免責事項:本記事は犬用遺伝子検査サービス「わんマッチ」に関する一般的な情報と体験談の紹介であり、医学的な診断や治療方針を決めるものではありません。愛犬の健康状態や行動に不安がある場合は、本記事のみで判断せず、必ず獣医師や専門のドッグトレーナーにご相談ください。サービス内容・価格などは執筆時点の情報であり、最新情報は公式サイトでご確認ください。
アフィリエイト開示:本記事にはアフィリエイトリンクを含む場合があります。リンク経由で商品・サービスが購入された際、読者の方のご負担なく当サイトに報酬が入ることがありますが、紹介内容や評価はできるかぎり客観的な情報と実体験にもとづいて記載しています。

この記事でわかること
  • 犬用遺伝子検査サービス「わんマッチ(Light)」の特徴と、海外サービスとの違い
  • 申し込み〜検体採取〜結果到着までの流れと、レポート(性格6タイプ・相性診断・Wan To ONECARD)の内容
  • どんな飼い主さん・愛犬に向いているサービスか、メリットと注意点の整理

なお、病気リスクや犬種ルーツを中心に比較したい場合は、先にこちらの記事を読むと全体像が分かりやすくなります。

目次

「わんマッチ」とは? 3分でわかるサービス概要

「わんマッチ」は、株式会社KG情報(東証スタンダード上場グループ)が運営する、国内発の愛犬用遺伝子検査サービスです。

一般的なペット用遺伝子検査と大きく異なる点は、「病気の発見」ではなく「関係性の向上」をゴールにしているところです。
愛犬の口内粘膜から採取したDNA情報と、飼い主さんが回答する心理テストの結果を掛け合わせることで、お互いの相性やコミュニケーションのコツを導き出します。

現在提供されている「わんマッチ」でわかること

現在、販売されている検査キットはシンプルに「わんマッチ」という名称で提供されています。購入後に「思っていたのと違った」というミスマッチを防ぐために、このサービスで「できること」と「できないこと」を整理しました。

「わんマッチ」で分かること・分からないこと
  • 愛犬の性格診断(6タイプ) 遺伝子にもとづく、生まれ持った気質の傾向を分析
  • 飼い主の性格診断(12タイプ) スマホで回答する心理テストの結果からタイプを判定
  • 相性診断&アドバイス 二人の関係性をより良くするためのヒント
  • Wan To ONECARD作成 災害時などに役立つ「うちの子情報」カード
  • 包括的な遺伝性疾患の検査 獣医療レベルで多数の病気リスクを網羅的に判定するものではありません
  • 詳細な犬種内訳の特定 「何%がチワワ」といったルーツ解析はできません
  • 絵本のようなストーリーレポート一式 この記事で紹介しているプランには含まれていません(内容は時期やプランによって変わる可能性があります)

このように、わんマッチは医療検査キットというよりは、「科学的な背景を持つコミュニケーションツール」と捉えるのが一番しっくりきます。

では、海外の本格的な検査サービスと比べたとき、どのような立ち位置にあるのでしょうか。次章で詳しく比較してみましょう。

他のDNA検査と何が違う? 世界のサービスとの立ち位置

「犬の遺伝子検査」と検索すると、海外の有名なサービス(Embark や Wisdom Panel など)がたくさん出てきて、どれを選べばいいか迷ってしまうかもしれません。

結論から言うと、わんマッチとこれら海外サービスは「目的」がまったく異なります。
どちらが優れているかという話ではなく、飼い主さんが「何を知りたいか」によって、選ぶべきサービスが変わります。それぞれの立ち位置を図に整理してみました。

関係性・情緒(性格・相性)
生物学・医療(病気・ルーツ)
海外・英語
国内・日本語
わんマッチ 性格・相性特化
手軽に楽しめる
Embark / Wisdom Panel 医療・詳細ルーツ
英語必須
Pontely等 疾患リスク
※要最新情報確認

各サービスの詳しい仕様や料金、検査できる項目を 一覧で見たい方は、別記事の 犬の遺伝子検査おすすめ比較ガイド で整理しています。

あなたが選ぶべきはどっち?

この図から分かるように、もしあなたが「ミックス犬の詳しい犬種ルーツを知りたい」「将来の遺伝病リスクを医学的にスクリーニングしたい」と考えているなら、英語のハードルはありますが EmbarkWisdom Panel といった海外サービスを検討する価値があります(非常に充実したデータベースを持っているためです)。

一方で、「英語でのやり取りや海外発送には不安がある」「病気のことより、日々の接し方や性格の謎を解き明かしたい」という方には、日本語で完結し、関係性にフォーカスした「わんマッチ」が有力な選択肢になります。

「性格や相性」だけでなく、「将来の病気リスク」も含めて健康寄りに備えたい方は、 Pontelyの遺伝子検査レビュー もチェックしておくと比較しやすくなります。

【体験レポート】申し込みから検査キット返送まで

ここからは、実際に私が「わんマッチ」を購入して、結果が届くまでの流れをレポートします。「面倒な手続きはない?」「ちゃんと自分で採取できる?」といった不安を解消できればと思います。

1. 申し込みとキットの到着

今回は公式サイト経由で申し込みました。価格やサービス内容は時期によって変わる可能性があるため、購入前には必ず公式情報をチェックすることをおすすめします。

注文から数日で、ポストに検査キットが届きました。在宅の必要がないのは助かりますね。

📦
キット到着
中身を確認
🧬
検体採取
頬をこする
📮
ポスト投函
返送用封筒で
📅
約1ヶ月待機
結果到着!

封筒の中には、以下のものが入っていました。

  • 採取用綿棒(スワブ): 試験管のようなケースに入っています。
  • 説明書: 写真付きで分かりやすい日本語マニュアルです。
  • 同意書・申込書: 飼い主情報を記入します。
  • 返送用封筒: 切手不要でそのままポストに出せます。

海外製のキットだと、説明書がすべて英語だったり、返送のために郵便局で国際郵便の手続きをしなければならなかったりすることもありますが、わんマッチは「書いて、拭って、ポストに入れるだけ」
このハードルの低さは、国内サービスならではの大きなメリットだと感じました。

2. 採取のリアル:30回こするハードルとコツ

検査でいちばん緊張するのが「検体採取」の瞬間です。方法はシンプルで、付属の綿棒で愛犬の頬の内側(粘膜)をこすり、細胞を採取します。

説明書には「左右の頬をそれぞれ30回程度こすってください」とあります。
「30回も!?」と驚くかもしれませんが、これは正確なDNA情報を得るためにとても重要なステップです。

実際にやってみると、じっとしているのが苦手な子は少し大変かもしれません。我が家の場合も最初は嫌がって顔を背けてしまいましたが、以下の作戦で乗り切りました。

💡 採取を成功させるコツ

  • お散歩後を狙う:少し疲れてまったりしているタイミングがおすすめです。
  • ご褒美を見せる:「終わったらこれあげるよ!」とおやつを見せながら、短期決戦で。
  • 優しく声をかけ続ける:飼い主さんが緊張していると愛犬にも伝わります。リラックスした雰囲気で「いい子だね〜」と話しかけながら行いましょう。

※採取の1時間前からは食事やおやつを控える必要があります(水はOK)。口の中に食べかすが残っていると検査エラーの原因になるため注意しましょう。

採取が終わったら、綿棒をチューブに戻して封筒に入れ、ポストに投函して完了です。国内の検査機関に送られるため、特別な税関申告なども不要。この手軽さは本当にありがたいと感じました。

【開封レビュー】届いたレポートと「防災カード」の実力

ポスト投函から約1ヶ月後、待ちに待った診断結果が届きました。
ペラペラの紙だけが入っているのかと思いきや、しっかりとした厚紙の専用バインダーで到着。このあたりはデジタルデータだけの海外サービスとは違い、「記念として手元に残る」という日本的な良さを感じます。

避難所で役立つ?「Wan To ONECARD」

レポートと一緒に入っていたのが、プラスチック製のカード「Wan To ONECARD(ワントゥワンカード)」です。
これには愛犬の写真、名前、そして今回判明した「性格タイプ」が記載されています。

単なる会員証のようなものかと思いきや、実は「緊急災害避難時カード」としての役割を持っています。

🐶 Wan To ONECARD
TYPE: デリケート 怖がりなので
そっとしておいてください

「うちの子は怖がりです」をカードが代弁

例えば災害時に避難所へ行ったとき。初めての場所や人に囲まれてパニックになっている愛犬のクレート(ハウス)にこのカードを貼っておきます。

周囲の人に「この子はデリケートな性格なんだ」と一目で伝われば、無用なトラブルを避けたり、少し配慮してもらえたりするかもしれません。 「飼い主が説明できない状況」で愛犬を守るお守りとして、非常に実用的だと感じました。

診断結果1:愛犬の「性格6タイプ」と行動のヒント

さて、いよいよメインの診断結果です。 わんマッチでは、特定の遺伝子領域(ドーパミン受容体など行動に関連するとされる遺伝子)を解析し、犬の性格を大きく6つのタイプに分類しています。

🤝 アジャスト 環境適応力が高い
バランス重視派
💕 フレンド 人が大好き
社交的な愛されキャラ
🛡️ ガード 警戒心が強め
番犬・守護タイプ
ダイナミック 活発でエネルギッシュ
冒険好き
🍬 スウィート 甘えん坊で
飼い主といたい
🌿 デリケート 慎重で繊細
静かな環境が好き

レポートには、判定されたタイプの特徴、得意なこと、苦手なシチュエーションなどが詳しく書かれています。

ここで大切なのは、「遺伝子が性格のすべてを決めるわけではない」という点です。犬の性格は「生まれ持った遺伝的気質」と「育った環境や経験」の両方で作られます。

実際、私の愛犬の診断結果を見たときも「ここはすごく当たってる!」と膝を打つ部分と、「ここは今の性格とはちょっと違うかも?」と感じる部分がありました。しかし、その「ズレ」こそが面白い発見だったのです。

例えば、私の愛犬は「警戒心が強い(ガードタイプ)」と出ましたが、普段は甘えん坊です。でも、思い出してみると「初めての人には絶対に近づかない」「チャイムの音に敏感」という一面がありました。 「そうか、甘えているのは家族だからで、本質的には警戒心が強い遺伝子を持っているんだ」と気づけたことで、「怖がりなのは私の育て方のせいじゃなかったんだ」と妙に納得でき、肩の荷が下りました。

診断結果2:飼い主診断と「相性マトリクス」

わんマッチのもう一つの主役が、飼い主自身の「12タイプ性格診断」です。 申し込み時にスマホで回答した心理テストをもとに、飼い主さんが「忠実穏健派」なのか「即決実践派」なのか、といったタイプが判定されます。

そして、この「愛犬のタイプ」×「飼い主のタイプ」を掛け合わせたものが、レポートの核心部分である「相性マトリクス」です。

「相性が悪い」=「ダメ」ではない

ここで誤解しないでいただきたいのが、「相性が悪いからダメなペアだ」と断じるものではないということです。 この診断の本当の価値は、相性の良し悪しそのものではなく、「二人のタイプの違いからくる、すれ違いを防ぐアドバイス」にあります。

例えばこんな「気づき」があります

【ケース例】
🏃 飼い主(せっかちで行動派): 「早く散歩に行こうよ!」とリードをグイグイ引っ張る。
🐶 愛犬(慎重でデリケート): 怖がって動けなくなる。

📝 レポートからのヒント
「あなたは決断が早いタイプですが、このワンちゃんは納得するまで時間がかかるタイプです。無理に引っ張ると信頼関係が崩れやすいので、“ワンちゃんが自分で一歩踏み出すまで3秒待つ”ことを意識してみましょう。」

このように、「なぜうまくいかないのか」を性格の不一致(ズレ)として客観的に解説してくれるので、しつけ本を闇雲に読むよりも、「うちの子専用の攻略法」が見つかりやすいのです。

わんマッチのメリット・注意点まとめ

ここまで見てきた通り、わんマッチは非常にユニークで面白いサービスですが、すべての人におすすめできるわけではありません。 最後に、メリットと注意点、そして「買うべき人・やめておくべき人」を整理します。

メリットと注意点

  • メリット
    • 日本語だけで完結し、ポスト投函で済む手軽さ。
    • 「関係性」に特化しており、家族みんなで診断結果を楽しめる。
    • 避難所で役立つ「Wan To ONECARD」が実用的。
  • 注意点
    • 包括的な遺伝性疾患のリスクや詳細な犬種ルーツまでは分からない。
    • 結果が届くまで約1ヶ月かかる(即日判定ではない)。
    • 価格が約2万円と、決して安くはない。

あなたはどっち? 購入前のYes/Noチャート

「結局、自分には合っているのかな?」と迷っている方のために、簡単なチェックシートを作りました。

あなたに合うのはどのサービス?
Q1. 一番知りたいのは「将来の病気リスク」ですか?
Yes(病気が心配) No(性格が知りたい)
動物病院へ相談
または医療特化の検査へ
Q2. 英語サイトでの購入ややり取りは得意ですか?
Yes No
Embarkなどを検討
(高機能・英語)
「わんマッチ」が
おすすめ!

このチャートの通り、「病気やルーツよりも、今の愛犬の気持ちや接し方を知りたい」「英語は苦手だから国内サービスがいい」という方には、わんマッチは最適な選択肢と言えます。

よくある質問(FAQ)

購入前に気になるポイントをQ&A形式でまとめました。

Q. 多頭飼いの場合はどうすればいいですか?
A. ワンちゃん1頭につき1つのキットが必要です。飼い主さんが1人の場合でも、それぞれのワンちゃんとの相性を診断するために、頭数分の検査申し込みが必要になります。
Q. 子犬やシニア犬でも受けられますか?
A. 年齢制限はありません。ただし、まだ母乳を飲んでいる子犬の場合、口の中に母犬のDNAが混ざって正しい結果が出ない可能性があります。離乳が完了し、固形食になってから(生後2〜3ヶ月以降)の検査をおすすめします。
Q. 結果を見て不安になったらどうすればいいですか?
A. 本サービスは医療診断ではありません。性格や行動について気になる点や、健康面での不安がある場合は、レポートの結果だけで判断せず、かかりつけの動物病院やドッグトレーナーにご相談ください。
Q. 引っ越しなどで環境が変わったらやり直すべき?
A. 遺伝子情報は生涯変わりませんので、検査をやり直す必要はありません。ただし、飼い主さんの心理テスト結果(ご自身の性格タイプ)は環境変化で変わる可能性があります。その場合は、飼い主診断のみやり直すことも可能です(オプション対応)。

まとめ:科学の力で、愛犬との「こころの距離」を縮めよう

遺伝子検査というと「病気を調べるもの」というイメージが強いですが、わんマッチは「愛犬との関係を見つめ直すためのコミュニケーションツール」です。

「なんでうちの子はこうなんだろう?」という漠然とした悩みが、「遺伝子的にこういうタイプだからなんだ」と分かるだけで、不思議と愛おしさに変わることがあります。 約2万円という価格は決して安くはありませんが、これから先の長い愛犬との生活で、無駄なすれ違いを減らし、お互いが楽に過ごせるヒントが得られるなら、十分投資する価値はあると感じました。

【最後に:本記事のスタンス】

本記事は、筆者の実体験と公開情報をもとに構成しています。 わんマッチは行動特性の傾向を知るためのサービスであり、医学的な診断や治療方針を決定するものではありません。 愛犬の健康や行動に深刻な悩みがある場合は、必ず専門家(獣医師・トレーナー)へ相談したうえで、本サービスを補助的なツールとしてご活用ください。

日本語だけで完結する相性診断。
あなたと愛犬の「本当の相性」を知ってみませんか?

参考文献・引用元
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